Mr. Minimalism and His Overall
ミニマリズムのアーティストのひとり、カール・アンドレ氏。
ニューヨークに暮らしていたころ、よくお見かけしました。
まあるいお顔に赤いほっぺで穏やかに微笑んでいて
どんなときも決まってオーヴァーオールを着ていて
世界的に有名なアーティストというより
庭師か木こりにしか見えませんでした。
アメリカのインタヴュー・マガジンでの
友人のバーバラ・ローズさんによるインタヴューの冒頭には
50年代の終わりに、アンドレ氏が
「世界一ケチな」編集社Prentice Hallでの週給30ドルの仕事を
「勤務日数が1日足りず休暇をもらえなかったため」辞め
戻ってきて、床に投げ捨てたネクタイを踏みつけながら
「ミドル・クラスを辞めてやる!と言った」
というエピソードがでてきます。
これを読んで
もしかしたらあのいつものオーヴァーオール
動きやすい作業着とか制服的なものとかではなくて
少なからず彼の思想の反映をしたものだったのかも知れない…
とおもったのでした。
バーバラさん、ミーはそこんとこ訊いてほしかったです。
だって本当にいつもいつもいつもオーヴァーオールを着ていたから。
掲載されたポートレイトでもやっぱり着ているのがわかります。