Yes You Can

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高校に入学して初めての夏休み明け、年下の友人ができた。

中学生とはおもえないほどガタイがよくて

自分中心に世界がまわってるかのようにふるまう

超唯我独尊的なこの男の子は

なぜかミーにだけはいつだってスウィートで

まるでナイトのように接してくれた。

桁違いに裕福な家に育ち

当然のように幼稚舎から有名私立校に通い

頭の先からつま先までまるごとハウマッチ?

ってくらいお金かけて着飾ってて

どこにいくにもタクシーをつかってた彼とは

共通点なんてほとんどなかったのに

ミーの家の黒電話が鳴ったら

3回に1回は彼からっていうくらい

別の学校に通ってたってしょっちゅうおしゃべりしてた。

恵まれた環境に育ったのに、あるいはそれが原因なのか

いばりんぼでけんかっぱやくて向こう見ずで

なんでも試してみないと気が済まないたちで

へんな薬飲んで死にそうになったって掛けてきたりして

ミーをしょっちゅう心配させてた。

だけどたいていはばかみたいにまじめに

「ひとは変われるか」

「ひとを変えることができるか」

ってミーたちはそんなことを延々とはなしてた。

「だれかを本当に好きになったらそいつのこと変えてやるくらいの気持ちじゃないと」

ってあるとき彼はいったけれど

それは彼がずっと想いを寄せてた幼なじみにたいしておもってたこと。

彼と同類の、スーパーお嬢様育ちでわがまま三昧の彼女は

中学生にして札束でひとの頬を撫でてるような子で

ミーは一度もよいとおもったことはなかったけれど

彼はどんなに美しくてゴージャスな大人の女性たちとつきあっていても

いつだってひそかに彼女のことを気にかけてた。

幼なじみパワーってすごいね。

なんか前世からのつきあいくらいににかんじるのかな。

言葉もしゃべれないころからずっと一緒だからね。

巡り合うべくして巡り合ったと信じちゃうみたいな。

…だけどもしまたどこかで彼に会ったら

やっぱりひとは変えられないとおもうってミーはいいたい。

どんな愛の力をもってしてもね。

だけど自分を変えることはできる。

それはいつだって。いつからだって。