In My Bag
ニューヨークで友人のトミーとわたるさんと
ひさしぶりに再会してランチにでかけたとき
ちょっと手を洗ってくるね
と席を立って数分後に戻ってくると
テーブルいっぱいにミーのバッグの中身がぶちまけられてた。
買ってきたばかりのラ・メールのクリームを
そのぎょうぎょうしい箱から取り出して
お財布からひっぱりだしたレシートと見比べながら
「このクリーム、高くない?」といいあうふたり。
だれもが人生のなかで、家族や友人のことを
猛烈に「好きー!」とおもう瞬間が
ときおり訪れるとおもうのだけど
まさにこのときがミーにとってその瞬間だった。
ふたりはミーのことを10代のころから知っていて
こんなことをしたってミーが怒らないことをちゃんとわかってる。
怒らないどころか、だまってテーブルに着いて
にこにこしながらふたりの様子を眺めてた。
こういうのが友達だよねっておもいながら。
たぶんミーはあけっぴろげな性格なんだとおもう。
「親しき仲にも礼儀あり」じゃなくて
「親しき仲には礼儀なし」だとおもってる。
無遠慮なくらいが心地いい。
いまでもミーの持ちものをひとつひとつチェックしていた
ふたりの様子をおもい浮かべるだけで
いとおしい気持ちでいっぱいになってしまう。
だけどねGuys、いまミーのバッグの中身を点検したところで
そうおもしろくはないとおもうよ。