Life is NOT Short, Take the Time to Enjoy a Cup of Coffee
ずっとずっと昔、珈琲やさんでお仕事をしてた。
ヨーロッパで買ってきたというアンティークのテーブルや椅子。
リチャード・ジノリのカップ&ソーサー。
小さい音で流れるクラシック。
エレガントなそのお店にくるお客さまも
みんな静かでシックな方ばかりだった。
お仕事なのに、毎日、避暑地を訪れるような清涼感があった。
あの、美しく心地のよい空間を
働くひと、お客さん、みんなでシェアしてたんだなっておもう。
午後3時になるとカウンターのなかから
「今日はなにを飲む?」と声をかけてもらえる。
ミーは甘くしてミルクを入れなければ珈琲を飲めない。
でも、お店の自慢のブレンドを理解しようとして
何度もストレートの珈琲をお願いした。
けっきょく、最後まで理解できないままだったし
いまでもストレートの珈琲は飲めない。
だけどあのときそうやってトライしたこと
それで、今でもたまに珈琲を飲んでみようかなっておもえること
それが超邪道な練乳入りの激甘なやつだって。
おおげさかもしれないけど、なにごとも経験だなっておもう。
そうして、経験を積んだいまが一番いいとき。
けっして昔に戻りたいとはおもわない。