Never a Fan of Anybody
ずっと以前にニューヨークのレストランで食事をしていたら
近くの席にスーザン・ソンタグとアニー・リボヴィッツという
ビッグカップルが座った。
そう、まだソンタグ氏がこの世に存在していたときのこと。
静かに食事を楽しむふたりのテーブルに
知的そうなアメリカ人男性が近づいていって
「I am a big fan of you!」とソンタグ氏に握手を求めた。
ミー、それを見て、信じられない、っておもった。
相手の都合とか気持ちとか考えていないからっていうのもあるけど
それよりまず、だれかに、自分はあなたのファンです、なんて
正面きっていってること自体がおどろきだった。
でも、この男性がすこし微笑ましくもあった。
こんなふうにストレートに握手を求めにいくなんて
すごくアメリカ人らしいともおもった。
にこりともせずしぶしぶ握手をしてたソンタグ氏も可笑しかった。
愛想とかふりまくようなタイプの女性じゃないからね。
そこがまた彼女の知性とあいまって格好いいのだけれど。
でもミーはだれのファンでもないな。
そういうふうに人生を生きてきて、これからもそうだとおもう。
ファン心理が理解できないやつ、とよくいわれる。
それは当たってる。
フォロワーとか意味わかんないもん。
その言葉自体がもうだめ。
ちなみにソンタグ氏の著書は何度もトライしたけど
まったく読み進めるこができなかった知性の低いミー。