The Gift of Imagination
セントマークス・ブックストアのウィンドウに
発売されたばかりのLife of Piを見つけたとき
表紙の装丁を見ただけなのに
このなかに書かれている物語が
自分の人生を変えてしまうような予感がしました。
家族とカナダに移住するはずだったのに
嵐で船が遭難し
救命ボートに残ったベンガルトラと
漂流の日々を過ごすことになってしまった
インド人の少年、パイ・パテル。
ヒンドゥ教、イスラム教、キリスト教のそれぞれに魅了され
家族にさえも理解されずに過ごしていたインドでの少年時代。
来る日も来る日も絶望的に海が存在するだけの漂流の日々。
わずかずつ変化していく、トラのリチャードパーカーへの想い。
作者のヤン・マーテルのつくりあげた
奇想天外なこの物語に
想像力を必死に働かせながら食らいついていきました。
そう、こどものころも、見たことのない世界を
自分なりに想像しながら小説を読むのが大好きでした。
想像することは贅沢な楽しみ
想像力は財産だとおもいます。
だからこの素晴らしい物語を
誰かが映像化したものを見たいとはおもいません。
自分で想像して自分で解釈したパイの物語が
ミーのなかでずっと生きているのです。