I've Got Plenty of Time
ジャイプールの郊外で、車の窓から
レンガ積みをしているひとたちを見た。
まだ始めたばかりでいくらも積み上がっていない。
強い日差しを遮るものもないなか
たった3人ぽっちであくせく働いている。
たぶんちいさな建物をつくるつもりなんだろうけど
この調子じゃいったいいつになったらできるのか。
あの光景を見て、途方もない時間を感じたとき、
ミーのなかで、時間に対する概念が変わった。
あれ以来、いつも、自分にはたっぷり時間がある、とおもうようになった。
時間は「ぜんぜんない」とおもえばぜんぜんないし
「たっぷりある」とおもえばたっぷりある。
そんな悟りみたいなものをひらいてしまった。
だから、時間短縮のテクニックなんてどうでもいい。
あまりものを持っていないから
探しものがすぐみつかるとか
洋服を選ぶ時間がかからないとか
そういうことのために
ミニマリスト的な生き方を選択しているわけではない。
効率なんてかんがえない。
たっぷり時間をかけてお料理をするのが好き。
こころをこめて掃除するのが気持ちいい。
誰かと向かい合って、じっくり話しこむのが楽しい。
ランニングだって、自分の気が済むまで延々走ってる。
人生、回り道をしたっていい。
生き遅れたってかまわない。
ミーにとって大切なことは
毎日、自分がその日を生き切ったかってことなんだ。